子どもの循環器の疾患について
兵庫県西宮市のいのうえ小児科では、お子様の循環器の病気を診察します。
循環器の病気には生まれつき持っている先天性疾患と、生後発症する後天性疾患・川崎病、不整脈などがあり、検査によりしっかり診断して、それぞれの病気に対して適切な治療方針をご提案します。
気になる症状があったり、「いつもと様子が違う」ということがありましたら、すぐに当院へご連絡ください。
先天性疾患
先天性疾患とは生まれつき持っている病気のことで、主な原因は遺伝子の異常で、胎児の時に体が形成されていく過程が乱されることで起こります。
そのほか、妊娠中の喫煙やアルコールの摂取、薬の影響、ウイルス感染などが原因として考えられますが、ほとんどの場合は原因が分からないとされています。
主な病気
- 心房中隔欠損
- 心室中隔欠損
- 房室中隔欠損
- 動脈管開存症
- 肺動脈弁狭窄症
- ファロー四徴症
- 大動脈縮窄症
- 単心室
など・・
→小児循環器学会HP内 『先天性心疾患・子どもの心臓病の解説サイト』 https://www.heart-manabu.jp/
後天性疾患
後天性疾患とは、生後発症する病気のことで、お子様によくみられるものとして次のようなものがあります。
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川崎病
乳幼児で多い疾患です。はっきりとした原因はわかっていませんが、アジア人に多い病気とされています。日本では年々増加傾向で、2018年の調査では過去最多の17364人の報告がされています。
38℃以上の高熱、目の充血、発疹、首のリンパ節の腫れ、唇の赤みなどの症状が起こり、心筋梗塞の発症リスクを高める場合もあります。原因が分かっていないため残念ながら予防方法はないのですが、発熱がある場合には常に川崎病を念頭に置いて診断を行うことが大切です。もし罹患した場合でも、できるだけ後遺症を残しにくくするための治療方法が日々研究されています。 -
心筋症
肥大型心筋症や拡張型心筋症など、心臓の筋肉で起こる病気のことです。発症すると胸痛、呼吸困難、体のむくみ、疲労感などの症状が現れます。診断にはレントゲン・心電図・心臓エコー検査が有用です。
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胸痛
通常、お子様で起こる胸痛は肋間筋肉痛や肋軟骨炎などが原因であることが多く、緊急性の高い病気が原因ではないことがほとんどなのですが、症状の奥に心筋症や不整脈、川崎病にかかったことがある方では心筋梗塞・狭心症などの心疾患や、肺炎・気胸などの呼吸器疾患、逆流性食道炎・胃炎などの消化器疾患が隠れている場合があります。当院へお越しいただき、適切な検査方針を検討いたします。
乳幼児健診などで心電図異常・心雑音・不整脈があると言われて不安
乳幼児健診などで心電図の異常や心雑音、不整脈などを指摘された場合には、一度詳しく検査されることをおすすめします。
心電図検査(安静時、運動負荷、24時間ホルター)や超音波検査などでお子様の状態を詳しくお調べします。
心雑音について
心雑音とは心臓内部に欠損孔や狭い部分があること、また血流量が多すぎることなどで認められます。お子様の場合、特に重症な疾患であれば新生児期や乳児期の早期に認められます。
特に呼吸がしんどそう、顔色が悪い、体重が増えない、哺乳が十分できない、などの症状を伴う場合は重症な心疾患が原因であることが多いです。
レントゲンや心電図・心臓エコー検査などで心臓の状態を詳しく確認します。
不整脈について
脈拍が速い・遅い・乱れるといった状態のことを不整脈と言いますが、特に問題がないケースもあります。
ただし、先天性心疾患がある場合や川崎病に罹ったことがある方、心筋炎や心筋症などが原因での不整脈である場合もありますので、当院にご相談をいただければ検査を実施いたします。
いのうえ小児科では精密な検査も可能
「不整脈や心雑音がある」と言われると、保護者の方はとても不安になることでしょう。
こうした症状があるからと言って、すぐに大きな病気が見つかるわけではありませんが、何も問題がないことを確認して安心するためにも、当院で精密に検査されることをおすすめします。
当院ではお子様の循環器の異常を調べるために、各種検査を実施しています。
検査の結果、より専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、連携する専門機関をご紹介いたします。
- 心電図(安静・運動負荷)
- ホルター心電図
- 超音波検査
- 経皮的酸素飽和度測定
- レントゲン