子どもの胸痛について
お子様が「胸が痛い」と訴えているため、心配になってご相談いただくケースがあります。
胸痛と聞くと「大人の症状」と思われるかもしれませんが、そうではありません。4歳ごろから出現して、思春期にもよく現れる症状なのです。
多くの場合、特発性(原因が明らかでないもの)や心因性ですが、5~10%の割合で心臓・血管に問題があって起こるケースもあります。
この時、重要となるのが「痛む場所」「痛みが起こるタイミング」「痛みの種類」「痛みが続く時間」などです。
それらを十分に伺ったうえで、レントゲン・心電図・心臓超音波検査・血液検査などを行なっていきます。
これらの検査でも十分に原因が特定できない場合には紹介をさせていただきます。
子どもの胸の痛いところをしっかり確認しましょう
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①痛む場所
胸の上下や左右のどこが痛むのか特定できるか、或いは広範囲か。
痛い部分を押すと痛みが強くなるか。
痛い部分に発疹などはあるか。 -
②痛みが起こる状況
運動時か安静時か、その時の姿勢、呼吸のタイミング、発熱の有無など。
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③痛みの種類
チクチクした痛み、激痛、肩こりのような痛みか。
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④痛みが続く時間
どのくらい痛みが続くのか、またはその頻度は。
子どもの胸が痛い 潜む病気や疾患について
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先天性心疾患
大動脈弁・肺動脈弁に狭窄がある、または冠動脈の走行に異常がある可能性があります。
川崎病にかかったことがあれば、冠動脈に狭窄がある可能性があります。 -
その他の心疾患
急性心筋炎、心膜炎、心内膜炎、心外膜炎、心筋症などが考えられます。
また、期外収縮や頻拍発作などの不整脈が原因となっている頻度は心疾患の中では最も多いです。 -
その他
胃炎や、胃酸や胃の内容物などが食道へ逆流する逆流性食道炎、左右どちらかの肋骨に沿う形で発疹が出現する帯状疱疹、あるいは肺炎や気胸、過換気症候群、胸郭の変形や過去の外傷などでも胸痛が起こることがあります。
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心因性胸痛
ストレスや精神的疲労にともない起こる胸の痛みです。
十分な検査をしても異常が見つからない場合の原因として推定します。
小児(こども)貧血について
小児(子ども)の貧血の原因
お子様の貧血で一番多い原因は鉄分の欠乏です。
特に乳幼児期の後半から2歳にかけて起こりやすく、また運動量が増えたり、体格が大きくなる12~14歳ごろの思春期も好発時期とされています。
鉄分の欠乏以外にも、風邪や慢性疾患が原因で起こることもあり、貧血の奥に小児がん・血液疾患が潜んでいることもあります。
症状
貧血が起こると顔色が悪くなりますが、顔の色には個人差があるので、唇や目の結膜(赤い部分)などを見て血色が乏しくなっているか確認します。
そして貧血が進行すると元気がなくなったり、動悸・息切れなどの症状が現れます。
なお、小児がんの場合、貧血に加えて発熱、手足の痛み、鼻血、黄疸などが起こることが多いので、そうした症状をともなっていないか注意してください。
長時間立っているとふらついたりする、いわゆる脳貧血は別の病気です。
鉄を多く含む食品を食事に取り入れてあげましょう!
鉄分を多く含む食品として、レバー、肉、魚、卵黄などがあります。
食べ物の中に含まれる鉄には2種類あります。
「ヘム鉄:肉や魚などの動物性食品に含まれる」「非ヘム鉄:野菜や豆類などの植物性食品に含まれる」
動物性の鉄分(ヘム鉄)は吸収率が高いのですが、植物性の鉄分は吸収率が低いため、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂って吸収率を高めるのがおすすめです。
当クリニックで可能な検査
血液検査
採血をして血液中の赤血球やヘモグロビン、その他栄養の状態などを調べます。