赤ちゃんの体重が増えない、もしかして、成長障害?病気?
「平均体重よりも少ない」「なかなか体重が増えない」
こうした時、保護者の方はとても不安になると思います。
成長障害や病気を疑う方もおられるでしょう。 では、赤ちゃんの体重が増えない原因は何なのか?
赤ちゃんの体重の目安とともにお話ししていきます。
赤ちゃんの体重の目安について
クリニックの受診時にこまめに身長・体重・頭囲などを計測して記録を残しておきましょう。
予防接種などの時にもご希望があれば計測いたします。母子手帳の成長曲線に記入していけばわかりやすいです。
基本的に、身長・体重とも母子手帳の成長曲線に沿った増加であれば問題はありません。伸びが急すぎる場合や逆に何か月も伸びていない場合などは何らかの病気が隠れている場合がありますのでご相談ください。
体重が増えない原因ってなに?
「他の同年代の子と比べて、うちの子は体重が少ない…」
こんな時にはどんな原因が考えられるのでしょうか?
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原因1 母乳・ミルクが少ない
与える母乳・ミルクの量が少ないと、平均的な体重を下回ってしまうことがあります。
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原因2 よく運動してエネルギーが消費されている
元気によく運動する赤ちゃんの場合、運動によりエネルギーが消費されて体重があまり増えないことがあります。
このような場合でも身長はしっかり伸びていて、月齢に応じた発達段階で進んでいる場合は問題ありません。 -
原因3 病気が原因
風邪などの病気が原因で母乳・ミルクがたくさん飲めない状態が続くと、体重が増えないことがあります。
また、心不全や多呼吸を伴う先天性心疾患があれば飲める量も少なめで消耗も多くなるため体重は増加しにくいです。
また、牛乳アレルギーなどの消化管アレルギーが原因で体重が増えないこともあります。 -
原因4 離乳食の影響
離乳食に切り替えるタイミングで目安となる量が食べきれず、体重が増えない場合があります。
先に母乳・ミルクをあげると離乳食が食べられなくなるので、最初に離乳食を十分にあげてからの母乳・ミルクをあげるようにしましょう。
体重を増やすためにできる事
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母乳・ミルクを飲みやすいように工夫
パットを使って乳首を吸い付きやすい形にしたり、哺乳瓶の吸い口を変えたりするなど、赤ちゃんが母乳・ミルクを飲みやすいように工夫しましょう。
ただし、月齢が上がってから哺乳瓶の吸い口を変えると、赤ちゃんが嫌がって飲まなくなることもあるので注意してください。 -
母乳にミルクを加える混合授乳
母乳が足りない場合には、ミルクを足す混合授乳に切り替えましょう。
ただし、母乳を与える回数が少なくなると出が悪くなるので、母乳を十分に飲ませてあげた後で足りない分だけを補うようにしてください
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離乳食の量を増やす
思うように体重が増加しない場合、離乳食の量を調整することで体重が増える場合があります。
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赤ちゃんが母乳・ミルクを吐く時は小児科を受診
赤ちゃんが母乳・ミルクを吐くのはよくあることで、体重が増えて元気にしていてすくすく育っていれば問題ありません。
ただし、体重が増えない、元気がないなどの症状がある場合には何らかの疾患が隠れている可能性があるので、速めに小児科を受診して相談するようにしましょう。
体重が増えないのは病気のせい?
赤ちゃんの体重が増えない時、病気が原因である場合があります。
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肥厚性幽門狭窄症
胃の出口の筋肉が肥厚することで母乳・ミルクが飲めなくなり、噴水のように吐き出してしまう病気です。
生後2週間から2か月ごろによくみられます。 -
風邪
風邪による症状(発熱や鼻づまり)などがあると、母乳・ミルクを飲まなくなり、体重の増えが遅くなります。
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クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)
先天的な甲状腺機能の異常により、甲状腺ホルモンが欠乏する病気です。
出生後の先天性代謝異常検査で診断がつくことが多いです。血液検査でも診断が可能です。 -
ヒルシュスプルング病
先天的な腸の異常があって、便秘や腸閉塞を招く病気です。
新生児期に診断がつくことが多いですが、乳児期以降で頑固な便秘がきっかけで診断がつくこともあります。
検査
レントゲンや超音波検査、血液検査を行いますが、何より成長曲線の経過が重要です。
身長や体重の計測は機会があれば積極的に実施してください。
お父様、お母様いつでもご相談ください
赤ちゃんの体重が増えない原因は母乳・ミルクのあげ方から病気まで様々です。
元気いっぱいの赤ちゃんで、よく動き回るのでなかなか体重が増えないということもあります、様々な原因が考えられますので、保護者の方だけで悩まずに一度小児科へご相談ください。
兵庫県西宮市のいのうえ小児科では、保護者の方の不安なお気持ちに寄り添い、しっかり原因を確認して安心できるようにいたします。